セヤナーを虐めたりいじめたりイジめたりしたい

「オフロー セマイー ヌルイー」
観光資源としてセヤナーが扱われ野良でも楽に暮らせる温泉地、そこに住む1匹の野良セヤナーが不満を漏らす。
この街を目指しセヤナーにとってはとても遠い距離を移動しなんとか辿り着いた当初は気にしなかったが、時間がたちここの生活に慣れるとだんだんと不満点がでてきたのだ、
「ズルイナー」
セヤナーの入っている温泉は浅い木の浴槽を階段状に並べ一番上の浴槽についた給湯口からお湯が流れてくるようになっている。
一番上は熱いが一番下の最も広い浴槽に流れてくるお湯は温度が下がり元のお湯とまざってセヤナー達にとってはぬるい程度の温度になっている。
その一番下の浴槽にそのセヤナーは何十匹といるセヤナー達と共に入っていた。
上の浴槽はほとんど元々この街に住んでいたセヤナー達が占領している。
彼らは街に設置されたセヤナー用の巣箱の内温泉に近い場所をほぼ全て占領しているため彼らより早く起き彼らより遠い距離を移動しないと上の浴槽には入れない。
更に上の浴槽に早起きして入れてもご飯のおねだりのために一度浴槽から出ると彼らは元々いたセヤナー達以外は威嚇して入れてくれない。(入っているのを追い出さないのは観光客の不興を買ったことがあるためである)
ご飯のおねだりだって一番いい場所は彼らの仲間内で交代している、一応旅館や食堂などの残飯を貰えるため食いっぱぐれることはないのだが。
「ヤデー」
大きくため息をつくとお風呂を出て帰路につく、あいつらはすぐそばの巣に体が冷める前に着けるんだろうなと考えながら。

その帰りである。
「オフロー ヒロカッタナー」
「セヤナー ウチノオフロヤデー」
親子のセヤナーがセヤナー専用のお風呂とは別の方向から帰って来る、あの親子も昨日まで自分たちと同じお風呂に入っていたはずだが広いお風呂とはどういうことだろう。
不満を抱えていたセヤナーはとても気になり翌日また別の方向へ向かう親子の後をつける。
しばらくついていくと親子は建物の壁を登り中に入っていった、そこから立ち上る湯気は間違いなく温泉だろうセヤナーは親子に続いて入っていく、しかし
「ウチノオフロー!ヤー!ヤー!」
「ウチナーウチナー」
親子に威嚇される、彼らはまた他のセヤナー達に占領され追い出されるのを警戒しているのだろう。
「セヤナー..」
広いお風呂に入れると思ったが彼らのお風呂を奪う気にも子セヤナーを見るとならない、それにここに似た建物はまだたくさんあった、きっと自分のお風呂も見つかるはずだとここを後にする。
背後ではガラガラという音と
「ニンゲンサンー ゴハンー チョウダイー」
「ゴハンー ゴハンー」
「はあ、ご飯はこっちだぞ」
そんな声が聞こえてきた。


セヤナーが似た建物を探し温泉を見つけるのはすぐだった。
「ヌクイー ヒロイー ウチノオフロヤデー」
給湯口から流れてくる熱いお湯をかぶりながらとても幸せな気分である。
「オフロー オフロー」
しかしそんなところに他のセヤナーが現れる、髪飾りに筒状の何かをぶら下げたセヤナーが建物の中から出てきた。
「ウチナーウチナー」
セヤナーはお風呂の前に陣取り威嚇する。
「ヤ!?ヤー コワイー」
入ってきたセヤナーはあっさりと後ろを振り返り建物に向かっていく。
「ウチナーウチナー」
姿を消すまで威嚇を続けようと威嚇していると建物に入る前にあのセヤナーは止まる。
「カイヌシサンー コワイー」
人間がいたようだ、人間はこちらをちらりとみるとセヤナーを抱えて戻っていく。
彼らの姿が見えなくなるとご飯のおねだりできなかったなと考えながらお風呂に戻った。
それから数分後今度はまた別の人間が現れた。
「ゴハンー チョウダイー」
今度はちゃんとおねだりだ。
「はいはい、あんたはこっちだよ」
そう言われ人間に抱きかかえられ建物の中に連れていかれる。
「申し訳ございませんでした、こちらのセヤナーは専用の温泉に連れていきますのでごゆっくりお楽しみください」
そう先ほどの人間とセヤナーに声をかけるとセヤナーは建物の裏手まで連れていかれた。

「あんたたち用のお風呂があるのになんでこっちに来るかねえ」
そう言いながらセヤナーは木桶に入れられる。
「アンナー オフロー セマイー」
「あそこで満足してりゃあよかったのに」
木桶の中に何か粉とお湯をいれながら人間はそう言う。
「ヌクイー デモセマイー」
「あー、ご飯用意するからそこでじっとしてな」
「ワカッター」
少しするとなんだかとろけるようなぼんやりと気持ちいいような感じがして体が柔らかくなっていく、お湯が体になじんでとても温かい。
体はぽかぽかとし感覚が広がるような、それでいてぼんやり鈍く霞んでいくようなお湯と一体になっていく感覚。
人間はまだじっと自分を見ていた、ご飯はまだだろうか「ゴハンハー?」そう聞こうとして、できなかった。
体全体が柔らかくなりすぎて動かせない、思考もぼんやりしているし体の感覚がほとんどない、ただ木桶いっぱいに体がひろがっているのはなんとなくわかる。
セヤナーの体は木桶の中のお湯を全て吸い体は半透明に、粘度は下がりとろみのついたシチュー程度だ。

「セヤコロリ溶解液タイプ」それが先ほどお湯に入れられた粉の正体である、セヤナー用成長促進剤とセヤナーの粘度成分の分解成分が入っていてお湯に入れるとセヤナーはお湯を取り込み粘度が下がりほとんど液体の状態になる。
更に水をいれて薄めれば下水にながしても大丈夫だし毒素は入っていないので肥料としても良質のものになる。
甘い環境にセヤナーが増えすぎて困っていたが観光資源としているのに死体をごみに出すのはどうかというこの街では重宝されてるセヤコロリだ。

人間は木べらを取り出し木桶のセヤナーに突き入れる。
体の中に木べらが入ってくるのに痛みは全くなくなんの抵抗もなくするりと入っていく。
ただほぼ液体のセヤナーの中に少し流れが産まれると一瞬意識が飛んだ。
「コワイー ユルシテー タスケテー」そう口にしようとしても何も音は出ず、ぐるりと木べらでかき混ぜられると完全に意識は途絶えた。
セヤナーだった薄いピンク色の液体はごみ箱に貯められたピンク色の液体に注がれ農家に引き取られるか庭にまかれることになる。


親子のセヤナーはご飯をあげるといわれ温泉から連れ出されるとセヤナー達の入った水槽に入れられた。
「ほら、お前たちご飯だぞ」
ご飯と聞いて水槽にいたセヤナー3匹が集まってくるが親子にはご飯が見当たらない。
「ゴハンー ゴハンー」
3匹のセヤナーたちが近づいてくる。
「ゴハンー ドコー?」
親子はきょろきょろと周りを見回していると1匹のセヤナーが子セヤナーにのしかかる。
「ヤー!?オチビヲ イジメナイデー!」
親セヤナーが慌てて子セヤナーにのしかかったセヤナーに近付くと
「ウチナーウチナー」
セヤナーは体を波打たせ威嚇してくる。
「ウチナーウチナー」
負けじと応戦する親セヤナーだが相手のセヤナーの動きが妙だ、体を波打たせながら体をどろっと柔らかくし何か体の下でもぞもぞと動いている。
「ヤー!?タスケテー!オカアサンー!タスケ...」
子供の声が唐突に途切れる。
「ウマイーメッチャウマイー」
セヤナーのベージュ色の奥でうっすらとお腹の中に浮かび小さく身じろぎし溺れる子セヤナーの姿が見えた。
「オ..オチビー!?」
慌てる親セヤナーの側に2匹のセヤナーが近寄る。
「ゴハンー」
「ゴハンー」
セヤナー達の体が裂け歪に歯が並ぶ大きな口が現れる。
「バ..バケモノー!?」
親セヤナーは慌てて子供も置いて逃げ出そうとするもその大きな口にかじられる。
「イタイイイイイイイイイイ」
ぐちゃぐちゃとセヤナーの姿をした化け物、コトノハスライムモドキは親セヤナーをあっという間に食べつくすのだった。

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