セヤナーを虐めたりいじめたりイジめたりしたい

2015年、セヤナーは飼いセヤナーというペットとして家畜化され始めた。
それと同時に、飼い個体用のグッズも増え続けている。
今回はその中の一つ、飼い個体用リードを研究開発する企業の試行錯誤をご紹介しよう。


某企業の研究施設に、数名の社員と多数のセヤナーたちがいた。
このセヤナーたちは、仕事に貢献した分のプレゼントを考えているという勧誘の下に集まってきた野良個体だ。
全匹が期待の面持ちで待機している。
その目の前に立つ一人の社員は言う。
「これより、各仕事場所に移動します。我々が誘導しますのでついてきて下さい」
指示通り、いくつかのグループに分かれて移動を開始する。

施設は、完全遮音性の壁で複数に区切られている。
最初のグループが担当するのは、額部吸着型リード。
ゴム製のリングがセヤナーの額にフィットし、どれほど暴れても外れる心配のない構造だ。
また、このリングはセヤナーの体から発生する粘液でも滑らず、逆にそれを利用して更に強い吸着性を発揮する。
「では、始めます」
号令と共に、リードが次々と装着された。
「ヤー? メッチャ カルイー」
それもそのはず、可能な限りの軽量化がされており、負担を軽減する設計になっている。
「キツク ナイナー」
吸着に関しても、皮膚を強引に引っ張る仕組みではないため、苦痛を感じることもない。
「フィット感のテスト、成功。では、次のテストへ」
透明な箱が乗ったワゴン台車が運ばれてきた。
直後、箱の中身にセヤナーたちが釘付けになる。
「ヤー! チョコー チョコー」
目を輝かせ、一直線に近付いていく。
だが、その動きは見えない壁に遮られるかのごとく、途中で止まった。
「ヤー? ナンデー?」
答えはリードの向こう側にある。
持ち手の部分が逆側の壁に固定され、これ以上は進めないようになっている。
セヤナーたちは大いに不満を抱いた。
「ヤアアアア! チョコー タベタイー」
「クワセロー! クワセロー!」
「ウチナー ウチナー」
構造を理解できずに無理矢理前進しようとする個体もいれば、リードが外れるように暴れる個体もいる。
「トリタイー! チョコー ホシイー!」
「オチビー トッタルデー」
中には、強引にリードから抜けようとする親子の姿もあった。
しかし、それらの行為は無意味。
強靭なリードは微動だにせず、セヤナーたちの額にくっついたままだ。
「耐久テスト、成功。残りは……」

「アアアアアアア!」

言いかけた言葉は、痛々しい悲鳴と生々しい音で遮られた。
見れば、無理に前進しようとしていた個体のいくつかが、額を境目にして二つに千切れている。
断面からは、脳と思われるものがはみ出ていた。
それらの個体は脱色し、融解が始まっている。
「ヤッ……ヤアアアアアア!」
パニックが、実験体たちの中で一斉に広がる。
「ヤデエエエ! ヤデエエエエエエエ!」
「ウチナアアアアア! ウチナアアアアアアア!」
より激しく、体を波打たせて暴れる個体たち。
「アアアアア! トレヘンー!」
「ハズレテー! ハズレテエエエエエ!」
全身を伸縮させたり、触手で引っ張ったりして、引き剥がそうとする個体もいた。
しかし、取り外す際にリードを緩める固定具は持ち手側にあるため、そうした行動には意味がない。
「オカアサアアアアアン! トッテエエエエエ!」
「オチビー! マッテエエエエエ!」
先の親子もまた、混乱に呑まれている。
そんな実験体たちを迎えるのは、残酷な結果。

「ギャアアアアアアア!」

今度は、一斉に断末魔の叫びが上がる。
ほぼ全ての個体が、額から上の部位と別れを告げることとなった。
中には、両目と顔面が離れ離れになる個体の姿もある。
「ヤッ……ヤアアアアアア! オチビイイイイイイイ!」
たった一匹残された親実験体は、我が子だった物を目撃し、発狂。
暴れ、転がり、跳ね回る。
「ヤアアアアアアア! ナンデエエエエエエエ! ナンデエエエエエエエ!」
その身が痛みを訴えようと、いくら傷付こうと、正気に戻れない。
「アアアアアアア! アアアアアアア! アアアアアアア!」
その最期は、呆気ないものだった。
我が子と同じ姿となり、完全に停止する。
静寂の中、社員の一人は淡々と告げる。
「実験体、全て損壊。テスト終了」

次のグループは、額部電子ロック型リードの担当。
このリードのスペックは、一部を除けば前述の試作品とほぼ変わらない。
違う点は、装着部が文字通り電子ロックであること、それによって少々重量が上がり、コストも高めになるというところだ。
今、その最大の特徴である機能のテストが行なわれている。

「イ゙ギャア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! イ゙ダイ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙!」
このリードは、持ち手部分がリモコンを兼ねており、簡単なスイッチ操作でセヤナーの額部を締め上げることができる。
「ナ゙ン゙デエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙! ヤ゙メ゙デエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙!」
「ドヴジデエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
「ダズゲデエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙! ア゙オ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙!」
いわゆるキツい躾のために開発された商品。
一箇所に集中する痛みに弱いセヤナーには、なかなかの効果を発揮しているようだ。
実験を受ける顔触れには、子実験体の姿もある。
「ヤ゙ア゙ア゙! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
成体でも泣き喚くほどの威力。
未成体なら、尚更だ。
「ギャア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! オ゙ッ……オ゙ヂイ゙ビイ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙!」
自身も激痛に苛まれる中、我が子を気遣う様子を見せる親実験体。
その姿は、必死と言う他ない。
「ビギャア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! オ゙ネ゙ッ! ガイ゙! オ゙ヂビ……イ゙ッ! オ゙ヂビヺ……オ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
だが、その願いは届かない。
この実験は、セヤナーがどこまで締め上げに耐え得るかを確かめるのが目的だ。
そして、未成体の耐久力のデータもまた、収集対象である。
親実験体がどれだけ説得しても、意味がない。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! オ゙ヂビヺ……オ゙ヂビヺオ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙オ゙!」
尚もすがるように叫ぶ親実験体は、ここで限界を迎えた。
ロックに額部を砕かれ、事切れる。
限界まで絞られた部位は元の形を失い、縮こまった肉片となって散らばっていく。
断面は徐々に元の大きさに広がっていき、その全貌が露になる。
見れば、他に息絶えている実験体も、同じ姿になっていた。
「ア゙ッ……ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! オ゙ガア゙ザア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ン゙!」
泣き叫んでいた子実験体に、更なる追い打ち。
身も、心も、もう限界だ。
「モ゙ッ…… ゴロ゙ジッ! モ゙ヴ ゴロ゙ジデエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙!」
その願いもまた、一蹴された。
苦痛は、延々と続く。
「ヤ゙ア゙ッ! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ッ! ヤ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!」
セヤナーの苦痛も、悲嘆も、絶望も。
全てはデータ収集のために。
「ヤ゙ア゙ア゙ダア゙ア゙ア゙ア゙ア゙! オ゙ネ゙ガイ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙イ゙! ゴロ゙ジデエ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙エ゙!」
苦悶の叫びは、しばらく続いた。
全ての実験体が動かぬ肉片と化したところで、社員は無機質に告げる。
「テスト終了」

また別のグループは、Y字を描く形のハーネス型リードの担当となった。
こちらもフィット感や耐久力等のテストは成功した。
だが、問題はやはり……。
「ウチナアアアアア! ウチッ……!」
「アアアアアアア! チョコオオオオオ……オッ!」
「ヤアアアアアアア! タベタイ! タベタイ! タベタッ……!」
セヤナーの体の方がリードの頑丈さに耐え切れず、崩壊してしまうことだ。
余り自制心を持たず、欲しい物はすぐ拾いに行くのが習慣となっている野良個体であれば尚のこと。
「オカアサアアアアアン! チョコホシイイイイイ……イッ!」
「オチビニイイイイイ! アゲッ……!」
「ウチノオオオオオオオ! ウチノヤアアアアアア……アッ!」
実験体たちは体をY字に裂かれ、そう長くないうちにその数を激減させていた。
「チョコオオオオオオオ! ドウシテエエエエエエ……エッ!」
最後の一匹が、絶命する。
「テスト終了」

他にも様々な試作品が用意されていた。
電子ロックハーネス型や口部吸着型など、種類は豊富。
その中には、何故か上層部が推薦する商品である肛門吸着型リードもあった。
字面通り肛門に差し込んで吸着させるタイプ。
社員たちは、なんだこれは……と心の中で絶句した。
一同たまげた様子だが、実験は実験。
必要なデータを集めなければ、進歩に至らない。
肛門があり、排泄を行なう個体が見つかった以上、やるしかない。
例え、オチが見えるとしても。

各実験は、その日のうちに全て終了した。
今回集めた野良個体の全滅と引き換えに、多くのデータを得られた。
これらは今後の開発に活かされるであろう。
もし問題点が見つかれば、今回のような実験を再度行なうというのが、上層部の意見。
そうなれば、また多くの野良個体を消費するだろう。
「もしかしたら、それも狙いの一つかもね」
社員の一人はそう呟く。
「実験で減れば減るだけ、野良個体が起こす実害も少なくなる。このプロジェクトって、社会貢献も兼ねてるんじゃない?」
「実験の一つ二つで野良を減らす? 効果が出るのかねぇ」
「分かんないよー。ここ以外の施設でも、同じような実験やってるし」
上層部の真意は読めない。
しかし、世間は野良個体の実害が減少することを望んでいる。
それに応えようとする意図がないとは言い切れない。
「ま、こっちはこっちの仕事をするだけだよ」
「まあねー。じゃ、また明日」
「おー、また明日」
二人の社員がそれぞれの帰路に就く。

後日、試作版を改良した製品版の新型リードが企業から発売されるが、それは別の話。

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