セヤナー虐めwiki - セヤナーと凧揚げ
「ウチナー ニンジャー ヤデー!」

「オチビー カッコエエデー」

親子のセヤナーが楽しそうにしている。
子セヤナーは凧に髪飾りと体を括りつけられ固定されながらである。
糸巻きと凧を持つ二人の男と共に忍者が凧で空を飛ぶ動画を見て乗り気になった親子のセヤナーは危険であることなどこれっぽっちも考慮はしていないようだ。

「じゃあいくぞー」
男が片方が糸巻きを持ち駆け出し、もう片方が凧を離すとふわりと凧は風にのり揚がりだした。
「スゴイー!ヤデー!ヤデー!」
親子のセヤナーは興奮し感動しているようだ。
男は少しずつ糸を伸ばし子セヤナーを高く高くあげていく。
「タカイー!スゴイー!ウチナー!ニンジャー!」
どんどん離れていく子セヤナーは興奮し叫ぶ。
「オチビー カッコエエナー!」
楽しそうな子セヤナーを見て親セヤナーも楽しそうだ。
「オカアサンー!ミテー!」
空中からの景色をみていた子セヤナーは叫びながら親セヤナーへと視線を移す。

しかし、それがいけなかった。
ぐらりと身動きした子セヤナーに合わせてバランスを崩す。
「ヤ?ヤアアアアアアアアアアアア!?」
そのまま凧はぐるぐると回転を始め地面へと落ちていく。
「オ、オチビー!!」
パキリと凧の骨が折れる音と共に凧が落ちた。
親セヤナーと男達が落ちた凧に駆け寄ると子セヤナーは凧の下敷きになっているようだ。
「オチビー...」
親セヤナーは絶望した様子で子セヤナーに声をかけ男はそっと凧を持ち上げる。

「コ、コワカッタデー...」

子セヤナーはプルプルと震えながら凧にくっついたままだった。
凧の形状的に縦に落ち、その衝撃も骨が折れて殺され凧が倒れて子セヤナーが地面にぶつかるときには大した勢いではなかったようだ。
「デモー タノシカッター ヤデー!」
そんな子セヤナーの様子にほっとした親セヤナーはほっとした様子で子セヤナーに近寄りすりすりと体をすり寄せる。
「オチビー ヨカッタナー」



そんな動画がアップロードされ話題になり友達と視た俺達はこれやってみないかとその場のノリでやることにした。
といってもセヤナーを飼っているわけでもない自分たちはどうするかと考えるが野良でいいだろとあっさりと決まった。
野良セヤナーにチョコをやるから協力してくれと言い動画を見せると3匹目で子供がいるセヤナーに当たり子セヤナーを連れてきてもらえた、ちょろいなこいつら。

「ウチナー ニンジャー ヤデー」
「オチビー ニンジャー ヤナー」
遊んでもらえて更にチョコも貰えるとなり実に親子は嬉しそうだ。
「そんじゃあやるぞ」
糸巻きをもって駆け出す。
ガッ ザリザリザリ
嫌な音と共に風とは違う抵抗が手に伝わる。
「オ..オ..オチビー!?」
凧は浮き上がらずそのまま落ち子セヤナーを下敷きに引きずってしまったようだ。
「イタイイイイイイイイイ!!」
凧の下から子セヤナーの叫び声が聞こえる。
うわあと思いながら凧をひっくり返すと顔の半分の表面がずるりはがれ更にその中も削り取られ他の部分にも小石で着いたのであろう傷や擦り傷だらけだ。
親セヤナーよりも更に柔らかい子セヤナーを引きずり回せばそうなるだろう、どう見てもダメそうだ。
「オチビー!オチビー!」
「イタイー...オカアサンー...タスケテー...」
あっという間に衰弱していく子セヤナーの側で親セヤナーは泣きながらすがりつく。
うん、凧も子セヤナーの肉片がついてダメそうだし子セヤナーももうだめそうだしさっさと退散しよう。
「あー、ほら、約束のチョコ置いてくぞ」
板チョコを割り親子の側において凧をもってさっさと逃げ出した。

「オチビー..チョコヤデー」
どんどん体がゆるんでいく子セヤナーの端の欠けた口にチョコの欠片を親セヤナーが入れてやる。
「...アマイナー..」
そう最期に言い残し子セヤナーはどろりと溶けた。
「ドウシテー...ドウシテー...」


失敗したなあ、そもそも普通に凧を飛ばす練習もしなかったのは良くなかった、反省反省。
次はちゃんと練習してからよく飛ぶ凧とやらでやろう、セヤナーを高く揚げてみたって感じの動画とかいいんじゃないかな。


しばらくして電線に引っかかった子セヤナーをつけた凧や川に流されていたもの、糸が切れて遠くに落ちたものなど動画の真似をした人によるものがいくつも迷惑をかけニュースで取り上げられることとなった。
飼っていたセヤナーを喜ばせようとした結果亡くした人なんかもいたらしいが当たり前だろとネットで叩かれていた。
そりゃそうだ、俺も最初の失敗から3回やったが落下の勢いで子セヤナーの固定が外れて地面に叩きつけられたり、高く飛ばしすぎて糸が切れたり、固定するために髪飾りにひもを括りつけてたら着地の衝撃で髪飾りが取れたりしたからな、ペットでやるようなことじゃないよ。